親が病気をするなんて、子どもの頃には考えたこともなかったのに、いつの間にか高齢になっている両親。
自分自身も仕事や家庭を持ち、生活のペースがあるし、いざ親が入院となるとどうすればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
2〜3日の入院ならいざ知らず、長期入院になった場合は子どもとしてどうしたら良いのか考えたいと思います。
入院生活は思った以上に寂しいもの
入院を体験したことがある方なら理解できると思いますが、ずっとベッドの上でテレビを見ながらボーッと過ごすのはとても暇です。
若い人ならスマホでyoutubeを見たり、マンガを読んだりしますよね。
でも、高齢の親だとせいぜいテレビ見たり、雑誌読んだり、看護師さんを大きな声で呼んでみたり。
それでも、そんなことができる人はまだマシです。
認知症で、テレビのつけ方も忘れてたりすると、ただずーっと天井を見ていたりするだけです。なんだか切ないですよね。
看護師さんがテレビをつけてくれたり、パジャマが汚れたからといってしょっちゅう着替えさせてくれたりはしません。
貴重品の保管も患者本人の責任で行うので、小銭すら置いておくことはできません。
お茶すら飲ませてくれないことも多いのではないでしょうか。
完全看護ってあくまでも病状に変化がないかを常に看ているということです。
手を抜くことを考えましょう
とはいえ、予断を許さない状態でない限り、長期に仕事を休んで親の付き添いをするのはどうなんだろう?って思ってしまいます。
社会人として、勤務先にそこまで甘えられるものなのか?
それよりも何よりも、長期に休んでしまっては収入がなくなってしまっては、自分の生活が大変なことになってしまいます。
仕事をどうしても辞めることができない場合、看護の手を抜くことを考えましょう。
洗濯
洗濯が必要となるのは、入浴後です。
看護師さんに入浴の日を聞き、その日は仕事を休むか、もしくは早退をさせてもらったり遅出にしてもらうなどしてお見舞いをしてはどうでしょうか。
洗濯を病院のコインランドリーで済ませると、洗濯物を持って帰って、また持ってくる手間が省けます。
ただし、洗濯して乾燥させる時間に2時間はかかります。
病院に2時間滞在するのがむずかしい場合は自宅に持って帰る方が良いでしょう。
可能であれば、パジャマを買い足しておき、さらにクリーニングサービスなどがあればお願いすると、万が一見舞いに来られなくなった時でも安心です。
食事に使うコップやお箸類の管理
洗わなくてもいいように使い捨てのものを用意してはいかがでしょうか。
コップも紙コップを使うようにして、極力洗い物はしなくても済むようにしておく方が衛生的ですよね。
引き出しにしまいこんでしまうと親が出すことができなかったり、気づかなかったりするので紙コップに数本を立ててセットしておくと良いですよ。
お見舞いに行けなかった時のことを考えて準備してあげましょう。
看護師さんに洗い物のお願いをするのは酷というものです。
また、スプーンは貸し出してくれるけどお箸は貸し出し不可という病院も多いです。
スプーンで食事をするのは、思いの外食べにくいものです。
食べにくいことから食欲が落ちてしまっては大変なので、やはり割り箸を用意しましょう。
飲み物の準備
切らさないようにと思って大きなペットボトルを買っておくのはやめておいた方が良いです。
冷蔵庫がある場合でも、蓋を開けてしまったペットボトルの賞味期限は基本1日と考えておきましょう。
500mlのものを数本用意しておいて、その日に飲みきるように親にも伝えておくといいですね。
認知症がある場合は、自分で楽のみなどに移し替えたり、ペットボトルから直接飲んだりできない場合もあるので、気づいたら楽のみにお茶を補充してもらえるよう看護師さんにお願いしておきましょう。
水分補給は必要なことなので、忙しい看護師さんでも体温を測りに来た時に入れてくれるのではないでしょうか。
自分の時間もしっかりと確保して
毎日お見舞いをするにしても、たまには短時間で済ませて自分の時間を確保することも大切です。
絶対に毎日お見舞いに行かなければならないと思わないこと。
2日に1回、3日に1回になっても、たとえ1週間に1回になってしまっても、それは仕方のないことで自分が親不孝な子どもだと思わないでください。
10分だけでも顔が見られて、少し話をして、笑うことができたら親孝行ができたと思ってくださいね。
自分自身もしっかり休養を取ることを忘れないようにしましょう。
お見舞いや付き添いが負担に感じるようになると、親に対しても優しくなれなくなったら意味がありません。
お見舞いに行った時には看護師さんと情報交換を
付き添いをしている間に看護師さんとお話しする機会があると思います。
そんな時に、自分がいない間の様子などを聞いておきましょう。
あまりたくさんの要望を聞いてもらえるとは思いませんが、気がかりなことがあれば相談すると良いと思いますよ。
あと、複数人部屋に入院している場合、退院された方がいらっしゃったらベッドの場所を交換してもらえることがあります。
患者の様子にもよりますが、窓側を希望したり、廊下側が良かったりした時に、ベッドが空くようなタイミングでお願いしたら聞いてもらえるので思い切って頼んで見ましょう。
まとめ
完全看護だからと言って全てを任せっきりはよくありませんが、無理も禁物です。
できる限りの付き添いをしてあげましょう。
たとえ10分だけでも、顔が見られたら嬉しいものです。
入院した経験がある方は、自分が一人で病室にいる時、どんな気持ちだったかを思い出せばしてあげられることが思いつきますよね。
経験のない方なら、親に直接聞いてあげて、できる限りのことをしてあげましょう。
親が希望をうまく言えない場合は、医師や看護師さんと相談をしてみるもの良いと思います。
付き添いは思った以上に体力が要る仕事です。
協力してもらえる兄弟や親戚には、思い切って頼ってみることです。
なるべく自分の負担が少なくすることを考えることも大切ですよ。