ラインダンスというと舞台上で女性が横一列に並んで肩を組み、足を上げて踊る場面を思い浮かべますよね。
宝塚歌劇団の公演でも必ずラインダンスは行われます。
でも、宝塚ではこのラインダンスのことをロケットって呼ぶのをご存知ですか?
ロケットはラインダンスとは違うの?
なんて思ってしまいませんか?
今回は、宝塚歌劇団で行われているロケットに関することをお伝えします。
宝塚のロケットって何?
「ロケット」という名称は宝塚歌劇団の固有のものではありません。
ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールを拠点として活躍していたアメリカのダンス・カンパニーの「ミズーリ・ロケッツ」(1925年アメリカ・セントルイスにて設立)の名称が由来です。
「ミズーリ・ロケッツ」はのちに、「ザ・ロケッツ」と名称を改めています。
このカンパニーの有名なダンスが「プレジション・ダンス」と呼ばれるもので、それがラインダンスだったことから、ラインダンスのことを「ロケット」と呼ぶようになったとのことです。
「ラインダンス」とは、ダンサーが舞台場で横一列に並んで、全員で同じステップを踏むダンスのことです。
クライマックスには、一斉に綺麗に揃って足を上げる踊ります。
ランダンスの起源となった「プレジション・ダンス」のプレジションとは、日本語で正確な、緻密なという意味です。
宝塚で一番最初にロケットをしたのはいつ?
宝塚歌劇団で最初にラインダンスをしたのは、1927年に上演された「モン・パリ」です。
「モン・パリ」は日本初のレビューとして知られている宝塚歌劇団の演目です。
その公演以来、今でも公演の最後には必ず「ロケット」が行われています。
宝塚のロケットは誰がやるもの?
毎年4月には、宝塚音楽学校を卒業したばかりで、初めて宝塚大劇場の舞台を踏む初舞台生全員でロケットを披露します。
この初舞台が終わると、40名の新入団員はそれぞれの組みに配置されますので、同期全員で舞台に立つのはこの初舞台が最初で最後になります。
それ以外の公演の時には、際下級生から数えてだいたい30〜40名の生徒がダンスをします。
つまり、宝塚歌劇団に入団してから3年目までの生徒、いわゆる研究科3年までの若い団員がすることになります。
ただし、ロケットが披露される直前の場面に抜擢されている場合は、ロケットには出場しないこともあります。
全国ツアーでは珍しいメンバーのロケットが見られるかも?
最近では本拠地である宝塚公演と、東京公演以外にも全国各地でツアー公演が行われるようになりました。
地方公演では、各組の全員が出演するわけではなく、本公演より少ない人数で公演が行われます。
そうなると、ロケットをするメンバーも足りなくなるので、上級生へと繰り上がっていくわけです。
なので、本公演ではロケットを卒業したメンバーも参加するというレアなロケットが見られるかもしれませんね。
以前の公演ではトップスターもロケットに参加したこともある!
星組公演「THE ENTERTAINER!」では、なんとトップスターから初舞台生までの総勢100名によるロケットが披露されたことがありました。
この時の衣装は、男役は黒燕尾で、娘役が燕尾ダルマだったそうです。
100名のロケットは圧巻だったでしょうね。
ダルマとはロケットやラインダンスでダンサーが来ている衣装のこと。
腕と足がむき出しになっている衣装で、「手も足もない」ことからダルマと呼ばれています。
まとめ
宝塚歌劇団に憧れる女の子は、初舞台でダルマを着てロケットを踊るのが憧れです。
そのため、春の初舞台公演では、晴れ晴れとした笑顔でロケットを踊る初々しい初舞台生を観ることができます。
普段の公演のロケットも素晴らしいですが、せっかくなら初舞台生が踊るロケットが観てみたいものですよね。
ただ、裏話としては初舞台生が出演する公演は、もちろん初めての舞台ということもあるし、それに加えて同期全員が一緒に出る最後の舞台ということで、初舞台生の親族の方々がたくさん来られるようですね。
なので、いつにも増してチケットが取りにくいかもしれません。
もしくは地方公演での、上級生が加わったロケットを観るというのもいいかもしれません。
ぜひ、宝塚歌劇団のシンクロ率の高いロケットをご覧になってくださいね。